【必修】バイクのブリッピングの全てを説明する記事【科目】
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欲しいエンジンパワーを任意に引き出すブリッピングは必ず身に着けるべきテクニック
この記事に辿り着いた方は
・ブリッピングってなぁに?
・半クラでシフトダウンしないなんて考えられない
・ブリッピングのやり方はわかったけど怖いよ・・・
という方ではないでしょうか。ブリッピングはライダーにとって必ず身につけなければならない技術です。
教習所で教えるべきだけど教えてくれない技術第1位でしょう。
もしあなたが「バイク買って3日で売ってそのあとはバイクに乗らない予定」という方であれば身につけなくても良いですが、多くの方は自分の愛車とたくさんの思い出を作りたいと思っていますよね。
3日でバイクを降りる予定がない方は必修科目です。
「ブリッピングしないライダーはライダーに非ず」といっても全然過言ではない技術です。分かりづらい情報に触れるとなんだか怖くて難しそうなブリッピングですが、この記事を読み終えるころにはブリッピングが必要な理由を理解し、ブリッピングができるようになっているのでひるまずに読んで下さい。
みんなやっていることなのであなたにできないわけありませんよ!自分の限界を自分で決めてはいけません。ここを乗り越えれば楽しい楽しいバイクライフの始まりです。
ブリッピングについて調べても「アクセルを煽ってシフトダウンする」「シフトダウンするときに回転数を合わせる」と書いているところがほとんどです。
やってみればできるんですがこの説明では「answer-wave」とは言えませんよね。というわけでかなり詳細にかなり簡単にかなり長く記事を執筆していこうと思います。
ブリッピングとは【バイクのブリッピング】
ブリッピングとはエンジンの回転数を上げることです。例えばニュートラルで駐車しているときにスロットルを捻ってエンジンを「ブオンブオン」とやるのもブリッピングです。
しかし、バイクにおいてブリッピングというと「ブリッピングシフトダウン」のことを指します。
これはシフトダウンの時にわざとアクセルを捻ってエンジンの回転数を上げることにより、半クラッチを使わずに一瞬でシフトダウンすることを指します。
サーキット走行や峠を走っているバイクの動画で、減速しながら「ブオン!ブオン!」とエンジン音がしているものがありますがあれがまさにブリッピングをしている音です。
詳しい説明は後述するので今はなんとなく「スロットル煽ってシフトダウンすんのかーホエー」くらいの気持ちで大丈夫です。
ブリッピングの効果【バイクのブリッピング】
ブリッピングの方法を説明する前に、何故ブリッピングが必須科目なのかを説明します。
市街地や高速道路でのメリット
例えば、あなたが市街地の直線を走っているときに何かしらの異常を察知したとします。それは落下物でも横の道から一時不停止で突っ込んでくる車でもいいです。
あなたは早くシフトダウンして減速を始めたいのですが、半クラッチでは
「危険察知→アクセル戻す→クラッチレバー握る→シフトペダルを踏む→ゆっくりクラッチを繋いでシフトチェンジの衝撃を逃がす→クラッチを完全につないでシフトチェンジ終了(欲しいエンジンブレーキ作動!)」
という日が暮れる程の工程を踏むため、シフトダウンまで時間がかかり、空走距離が伸びてしまします。
一方ブリッピングを使うと
「危険察知→
【クラッチレバー握る、
スロットル煽る、
シフトペダルを踏む、
クラッチレバーを離す】
をほぼ同時に行う
→ シフトチェンジ終了(欲しいエンジンブレーキ作動!) 」
という流れなので一瞬で欲しいエンジンブレーキを使うことができます。これがどれくらいの時間かというと
素早くクラッチレバーを半分くらいまで握ってパッと離す
くらいの時間でシフトダウンを終わらせてエンジンブレーキを使えています。もし半クラでシフトダウンしていたらきっと「シフトペダルを踏む」くらいの工程までしかすすんでいないでしょう。
どちらがより早く減速を始められるかは明白ですよね。
「ギアを変えずにフルブレーキすれば一緒じゃん」→んなわけねーだろ
頭の足りない人は「シフトダウンしないでさっさとブレーキすれば一緒じゃん」と思うかもしれませんがそれは大きな間違いです。
例えば
3速100km/hで走っているバイクと6速100km/hで走っているバイクはどちらの方が制動距離が長いかわかりますよね。当然強いエンジンブレーキがかかっている3速で走っている方です。
つまり早めに強いエンジンブレーキを発生させて制動したほうが短い距離で止まれるということです。
「急制動じゃないときはブレーキすればいいじゃん」→よぉ周りのこと考えない下手糞ぉ
信号のない交差点で車が頭をだしているときなどに、「万が一に備えて念のため減速する」という局面がありますよね。
そんなときは僕はブリッピングシフトダウンをしてまず様子を見ます。なるべくテールランプを光らせたくないのです。
四輪、二輪関わらず、運転が下手な人の特徴の1つとして「やたらブレーキをかける」というものがあります。
頻繁にブレーキをかける運転をしていると後続車がイライラするし、本当に止まるときに後続車の反応が遅れてしまうことがあるからです。後続車と自車の安全を考えるとやたらにテールランプを光らせたくありません。
一瞬でエンジンブレーキを引き出せればテールランプを光らせることなく「様子見程度の減速」をすることができます。
急加速をしたいとき
特に小~中排気量(~250cc)に乗っているときに急加速をしたいときに一瞬でギアを下げ、強いエンジンパワーを使うことでスムーズに加速することができます。
そのままのギアで追い越すと「ぬめー」っと追い越してしまいますが、高速道路で1台だけ追い越す時や、一般道で道を譲られたときにサッと加速して追い越しを終えることができます。
ちなみに僕のバイクはハーレーエンジンでレスポンスが悪いため、一般道で道を譲ってもらったときは250cc並みにブリッピングシフトダウンをして追い越しています。
スポーツランでのメリット【バイクのブリッピング】
気持ちよくメリハリのあるライディングをするには減速にも加速にもブリッピングが必須です。
コーナーに入っていくときの減速にはもちろん、コーナーの後半、加速して立ち上がっていくときに高いギアだとトルクを引き出せずにだらしなく曲がることになります。
コーナー手前でブリッピングとブレーキを使って減速し、ギアも立ち上がり備えた適切なギアに入れて置きます。そうすることでスムーズにコーナーを駆け抜けることができます。
登り坂で
また、上り坂を思ったより上っていかなければブリッピングをしてギアを1つ下げればすぐに加速できます。半クラでつなぐと日が暮れそうな操作をしている間にどんどん減速していってしまいます。
下り坂で
下り坂で思ったよりスピードが出てしまったときにブリッピングをすることですぐに減速を始められます。半クラで繋ぐとクラッチを切っている時間が長いのでタイヤが回り、さらにスピードが出てしまいます。
ブリッピングは安全運転にも走る楽しさにも貢献する必須のテクニックであることがお分かりいただけたでしょうか。
ブリッピングの仕組み【バイクのブリッピング】
さて、ブリッピングの必要性を理解した後は「ブリッピングの仕組み」について書いていきます。何故アクセルを煽ると一瞬でシフトダウンできるのかという話を簡単に説明していきます。
初心者の方にわかりやすいように極端に、大袈裟に書いていますのでベテランの方は読み流してください。
速度に合わせたギアがある【バイクのブリッピング】
バイクにはだいたい1速~6速(5速の場合もあり)のギアがあります。それぞれが得意な速度域があると考えてください。
1速・・・0~20km/h
2速・・・20~40km/h
3速・・・40~60km/h
4速・・・60~80km/h
5速・・・80~100km/h
6速・・・100~120km/h
それぞれのギアがこんな感じで速度を受け持っていると仮定します。
エンジンの回転数は一定
エンジンを回せる回転数はどのギアでも変わりませんよね。
12000rpm(1分間の回転数)からレッドゾーンのエンジンで動いているバイクだとしたら、1速でも6速でも レッドゾーン は 12000rpm からになります。同じエンジンだからです。
(今ものすごく当たり前の話をしています。混乱するようなら無視してください。)
シフトアップ時のエンジンの回転数、シフトショック
それぞれギアが受け持っている最高速度(1速なら20 km/h )のときに6000 rpm になり、シフトアップすることにします。
シフトアップ直後だと当然エンジンの回転数は落ちます。仮に2000 rpm 落ちるとしましょう。すると・・・
1速・・・ 0 ~20km/h(6000rpm)シフトアップ↑
2速・・・20(4000rpm)~40km/h(6000rpm)シフトアップ↑
3速・・・40(4000rpm) ~60km/h(6000rpm)シフトアップ↑
4速・・・60(4000rpm) ~80km/h(6000rpm)シフトアップ↑
5速・・・80(4000rpm) ~100km/h(6000rpm)シフトアップ↑
6速・・・100(4000rpm) ~120km/h(6000rpm)
ということになるといういことです。
エンジンパワーは回転数が高ければ高いほど強いです。
ですのでシフトアップのときはシフトチェンジをしてもエンジンパワーが強い状態から弱い状態になるので、エンジンへの負担、シフトショックはありません。
シフトアップによって6000rpm(エンジンパワーが強い)から4000rpm(エンジンパワーが弱い)になるので当然ですね。
シフトダウン時のエンジンの回転数、シフトショック
ではシフトダウンの時はどうでしょうか?もちろんシフトアップとは真逆になります。
6速・・・ 120km/h(6000rpm)~100(4000rpm)シフトダウン↓
5速・・・ 100km/h(6000rpm)~80(4000rpm) シフトダウン↓
4速・・・ 80km/h(6000rpm)~60(4000rpm)シフトダウン↓
3速・・・ 60km/h(6000rpm)~40(4000rpm)シフトダウン↓
2速・・・ 40km/h(6000rpm)~ 20(4000rpm)シフトダウン↓
1速・・・ ~20km/h(6000rpm) ~0
という速度と回転数の流れになります。
シフトダウンのときはエンジンパワーが弱い状態から強い状態になるので、エンジンへの負担、シフトショックが発生します。急に発生する2000rpm分のパワーが強烈なエンジンブレーキとして車体とライダーを襲います。
一瞬のシフトダウンによって途端に4000rpm(エンジンパワーが弱い)から6000rpm(エンジンパワーが強い)になるので当然ですね。
2000rpmの回転数の差をライダーが埋めてあげる
もうブリッピングシフトダウンの仕組みはわかりましたよね。 4000rpm(エンジンパワーが弱い)から6000rpm(エンジンパワーが強い)になる衝撃をなくすために、シフトダウンする直前にスロットル操作で2000rpm回転数を上げて6000rpmにし、その後シフトダウンをすれば衝撃がないというわけです。
バイクのブリッピングシフトダウンのやり方
仕組みを理解すると、順番的には
①クラッチレバーを握る
②シフトダウンする
③スロットルを煽って回転数を上げる
④クラッチレバーを離す
という順番になると思います。これは順番としては大正解なのですが、やりかたとしては不正解です。
順番を意識してブリッピングを行えるほどエンジンはゆっくり動いていないからです。
実際には①~④の操作を同時に行います。
クラッチレバーをパッと握ってパッと離す間にすべての動作を同時に行います。
わかりづらく言うと「クンクン!」という感じ。
「クン(レバーを引く)
クン(レバーを離す)」
クラッチレバーは握りきりません。レバー可動域の半分も握れば十分です。
クラッチレバーの握り方は>>>こちら
僕が正しいやり方を文字で表現すると
クラッチレバーを半分引いて離す最短の動作中に
・シフトペダルを踏む
・スロットルを煽る
としか表現できません。というか文字でこれ以上表現できないと思います。
やってみると簡単です。ここからは練習方法を書いていきます。
ブリッピングシフトダウンの練習【バイクのブリッピング】
先述の「速度に合わせたギアがある」のところで、僕はわかりやすいように1~6速のギアのそれぞれの速度を
1速・・・0~20km/h
2速・・・20~40km/h
3速・・・40~60km/h
4速・・・60~80km/h
5速・・・80~100km/h
6速・・・100~120km/h
と書きました。これをもう少し現実に寄せて書くと、
1速・・・0~60km/h
2速・・・30~70km/h
3速・・・50~85km/h
4速・・・60~90km/h
5速・・・70~110km/h
6速・・・80~最高速度まで
という風になります。各ギアが受け持っている速度は「被っている」部分あり、受け持っている「幅」も様々です。
高いギアで練習する
これはギア比というもので説明できます。面倒臭いなんとなくしか理解していないので説明は省きますが、
ギアが高い方がブリッピングシフトダウンがしやすい(スロットルを煽る量が少ない)です。
なので
6速から5速へのシフトダウンが
1番練習に向いています。
速度が出て怖い場合や、回転数が低すぎてエンジンがぎくしゃくする場合は5から4速でも4速から3速でもかまいません。
2~1はやめておいた方がいいです。1番スロットルを煽らなければならないシフトダウンですし、2速と1速の間にはニュートラルがあります。ニュートラルに入ってしまって慌てて1速に落とすと>>>だるま屋ウィリー事件を起こしてしまいます。
回転数は少し低めで
ブリッピングシフトダウンに万が一失敗した場合でも回転数が低い方と衝撃が少ないので安心です。
初めは回転数低めで練習して、スロットルの煽り具合がだいたいわかってきたら普通の回転数でできるようにしましょう。
高いギアがやりやすいということは・・・
高いギアがやりやすいということはそれぞれのギアからのシフトダウンのスロットルを煽る量は違うということです。
6から5速は煽り加減が最小
2から1速は煽り加減が最大
それぞれの煽る具合は体で覚えるしかありません。エンジンは高速で動いています。タコメーターで「2000rpm上げた」などと確認している時間はないので「スロットルを捻る感覚」と「音」で覚えましょう。
スロットルを煽る加減
スロットルの煽り具合は本当感覚でやるしかないのですが、諦め悪く説明すると5から6速のシフトダウンはほんのちょっとで大丈夫です。もう他は感覚でお願いします。
まとめ【バイクのブリッピング】
最後のスロットルの煽り具合で台無しになった感は否めませんが・・・
・ブリッピングはメリットしかないので必ず習得しなければならない
・アクセルを煽るは回転数の差を埋めるため
・ クラッチレバーを半分引いて離す最短の動作中に・シフトペダルを踏む・スロットルを煽る を同時に行う
・練習は高ギア、低回転で行う
・スロットル開度は感覚
・・・やっぱりスロットル開度のせいで締まらないけどそろそろ飽きたのでまた今度!
僕にロッコルを履かせて!
>頻繁にブレーキをかける運転をしていると後続車がイライラするし、
>本当に止まるときに後続車の反応が遅れてしまうことがあるからです。
>後続車と自車の安全を考えるとやたらにテールランプを光らせたくありません。
→ランプ光らずなんか急に減速される方がよっぽど後続車に迷惑なんだけどこれ本気で書いてるの?www
okoメントありがとうございます!
ランプ光らず「急」に減速する方法を知りませんが、ブレーキランプをやたら(前方の車が減速していないときなど)ピカピカさせているバイクや車はすごく迷惑に感じますね。
「お前の本当の減速はいつなんだ?」と思います。
考え方や感じ方はそれぞれですね!