旅行者とツーリングライダーの違い~本命の目的が「ついで」程度~

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ツーリングは常に目的


真夏のツーリングのときに一緒に走りに行っていた方と話した内容を思い出したので書き留めておきます。大した内容ではないですし、僕はバイクに乗っていない方にバイクを勧めたりしたくないと思っていますので「バイクに興味がある」「ツーリングしてみたい」などとバイクに乗り始めることに前向きになっている方は読まないで頂けると助かります。


他人にバイク趣味をおすすめしてはいけないたった1つの理由

真夏のツーリングの道中にて

僕は普段、最高気温35度以上になる予報が出ている日はツーリングに行かないことにしています。

暑い日にツーリングに行くとシンドいからです。道が流れているときであれば耐えられますが、少し渋滞気味になるとすっごいシンドいです。シンドいツーリングは楽しめないので真夏のツーリングは出発前までかなり慎重になります。

ツーリングを延期(中止)する4つの絶対的ルールを持つことの重要性



その日は最高気温ぎりぎり35度を超えない予報だったのででかけたのですが、予想に反して気温がぐんぐん上がりしんどくなってきました。更に予想に反して渋滞にひっかかって「シンドいツーリング」になっていました。

僕は長年のライダー人生から「暑い日は水をかぶってツーリングをする」という非常識な裏技を見つけていますので、このときはコンビニでジャケットにジャバジャバ水をかけていました。

>>>夏のバイクツーリングを涼しく快適にするたった1つの非常識な裏技


そのときふと、

「なんでこんな辛い思いしてまでバイクで来てんだろ・・・」



とシンプルに思いました。

他のコンビニ客の多くはエアコンが効いて快適そうな車で来ています。


彼らは車から降りると「あら暑いわ!」と言い、コンビニに入っては何も言わず、コンビニを出るときに「あら暑いわ!」と言っています。

僕らはバイクに乗っているときは「暑い・・・」と言い、コンビニに入っては「涼しい、ここに泊まりたい。」と言い、コンビニを出ては「暑い・・・」と言います。


そんな感じで次の目的地に向けて出発しました。

温泉で口に出た疑問


次の目的地の温泉から上がると一緒に来ていた飯屋さん(仮名)が少し離れたところで休憩している女性二人組のお客さんをみて

「あの人たちは涼しい車でここまできたわけじゃないですか。でも我々はクソ暑い中、白い目で見られながらコンビニで水を被ってヒーヒー言って温泉入ったわけじゃないですか。これってどっちがいいんですかね。僕ら損してるんですかね。」



と至極真っ当な、先程僕がコンビニで感じていたようなことを言い始めました。こちらはバイクの男二人、向こう様は女性二人で車、わかりやすい対比だったのでわかりやすい疑問が口からでたのでしょう。

「飯屋君(仮)、まず、そこに座りなさい・・・」


僕はノープランのくせに、さも答えを知っている風に着席を促しました。

僕はからからになった体にポカリを流し込んで茹で上がりそうな脳みそを冷やすとこう話しました。ノープランで。

「まず、前提として僕は君と二人で車でここには来ない。絶対に来たくない。それはわかるかい?」
「はい。僕も車でokobloさんと二人でここまで来るなんて絶対に嫌です。何の意味もありません。時間の無駄、いや、人生の損失です。」
「(おぉ・・・)では何故我々は男二人でここに来ているんだい?」
ツーリングだからっすね。ツーリングじゃなかったら風呂に二人で入ったりしませんね。無理っすね。変な髪型の人と風呂なんて嫌ですね。」
「いやまぁ、その台詞リボンでもつけて返してやるんだけれども。ツーリングだから男二人でこんなところまで来て、風呂に入っているんだね。」
「そうです。」
「ところで、風呂は気持ちよかったのかい?」
「ええ、温泉ですからね」
「ということは恐らくあそこにいる女性たちも気持ちよかったはずだよね?」
「ですね、温泉ですから。温泉に入るためにここにきてるんでしょうからね」
「HAHAHAHA!」
「え、何怖い。」
「彼女たちは温泉が目的、では僕たちの目的は!?
「ツーリn・・・ハッ!!!!」
「気付いたようだね君・・・」
目的が・・・違うだと・・・!!!」
「そうなんです!我々の目的はツーリングなんです。バイクに乗ることなんです。温泉なんて『ついで』なんです。彼女たちが目的にしている温泉が『ついで』なんです。そう考えるとものすごく得している気にならないかい!!」
「じゃあ次はちゃんとそう思えるくらいのルート出してくださいね」
「ごめんね。こんなルートで・・・」



>>>ツーリングプラン、ルートを無限に計画できる14ステップ



そんな感じ。なんとなくわかります?
通常の旅行者は目的地を目的にしますが、我々ライダーは目的地に至る過程を目的にしているので目的地が『ついで』になるのです。如何に過程を楽しむか、そのために楽しいルートを時間をかけて出したりするわけです。


「旅行者も景色を楽しんだりして過程を楽しんでいるぞ!」という反論もあるでしょうが、我々ライダーはその楽しみを通常の旅行者の何倍にもする能力があるんです。

旅行者が旅で感じる楽しさの割合を表にしみるとこんな感じ。


旅行者が感じる楽しみ
過程30%
目的地70%
旅全体100%
旅行者が感じる旅の楽しみ

旅行で感じられる楽しさを100%として、過程と目的地で得られる楽しみをそれぞれ適当に割り振ります。過程でもきれいな景色を見たりなんか食べたりしてキャッキャワイワイやってそれなりに楽しいのですが、目的地での楽しさには敵わないので、過程を30%、目的地を70%とします。で、全体で100%になるということです。

一方、我々ライダーはどんな感じかというと・・・

ライダーが感じる楽しみ
過程10000%
目的地70%
旅全体10070%
ライダーが感じる旅の楽しみ


旅行者が過程で感じているきれいな景色を見たりなんか食べたりしてキャッキャワイワイの楽しさはもちろん感じていますし、目的地での楽しみも感じています。この話でいうと温泉の楽しさ、気持ちよさに差はないですからね。

ライダーの場合は過程が目的地よりも楽しいので、というか過程が目的になっているので過程の楽しさは10000%くらいになってしまうでしょう。うむうむ。

という解釈をするとバイクはとってもいい趣味だなぁと思うわけです。

こんな移動手段ほかにあるのでしょうか。全てを楽しくしてくれる手段。

電車好きな方が電車で旅行をしても、駅までの道のりは所詮過程ですし、もしかしたらお目当ての車両に乗るまでは全てが過程かもしれません。バイクは「行ってきまーす」をしたらそこから即是目的、即是楽しい、という感じです。

この考え方をもっと発展させると、例えば「写真が趣味」という方がバイクに乗って写真を撮りに行くとどうでしょう!素晴らしすぎる趣味×趣味になるわけです。

登山が趣味の方は山までバイクで行けば素晴らしすぎる趣味×趣味になるわけです。

登山しながら写真を取るのが趣味の方は趣味×趣味×趣味!!


書き散らかしましたがそんな感じです。



ちなみにただバイクに乗ればいいというわけではなく、ちゃんと過程を楽しめる楽しみ方をしなければ意味がありません。ですので「名古屋まで東名で行って味噌カツ食べて帰ってくるツーリング」などを楽しんでいる方はバイク乗りではなく、ただバイクに乗っているだけの人です。高速道路や町中だけ走っていてもバイクの楽しさは全く味わえませんからね!そんな方々は「過程<目的地」の旅行者ということです。




結局なんだ、バイク楽しいよということでした。


>>>ツーリングの目的を「バイクに乗ること」にする理由と3つの成功例




僕にロッコルを履かせて!



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